私論:インパール作戦に見える今の日本のブラック企業の体質

昨夜、NHKスペシャルにて第二次世界大戦中の旧日本軍最大の愚策“インパール作戦”が取り上げれました。
番組のイデオロギー的批評は差し控えます。
私は、マネジメントコンサルタントとして興味深く観ました。
根底には、今の日本のブラック企業体質に連なる“マネジメント不全”を感じました。
愚策の具体例
1.当初、大本営(東条英機大将)は、ビルマの死守を要望したが、現地の牟田口中将は自らの武功と上への忖度から勝手にインパールへ進軍せよと曲解釈した。
2.兵站参謀が補給線が確保出来ないからと作戦に異を唱えたら、自分に反論する意見を封殺して、兵站参謀を更迭した。
3.無謀な作戦とは気付いていた上司の河辺中将だが、同じ釜の飯を食った仲間という人情論から作戦を黙認。
4.ビルマを奪われ、インド死守に燃える大英帝国軍の軍事力を見誤った。
5.牟田口中将は自らの武功の為に大本営には作戦は順調であると嘘の報告をあげ、自らを称賛する朝日新聞と毎日新聞を優遇していた。
6.敗退が決定的になると初めて最前線に赴き、始めた作戦を途中で止めるわけにはいかないと精神論を振りかざし、部下に玉砕を命じる。
7.兵隊は将棋の駒くらいにしか考えておらず、常に自分の名声の為に考え、行動していた。
番組の最後に、当時、経理係として牟田口中将の部下に配属されていた斎藤博國少尉が発言した。
インパール作戦では、士官や将校は誰一人死んでいないんです。死んだのはみんな兵卒…生き残った自分のほうが辛く悲しく寂しいと96歳の今でも涙流していたのが印象的だった。
私は、学ぶべき価値は“失敗例”にあると考えています。
どうですか?今のブラック企業体質や東芝の体質に通じていると思いませんか?
この失敗から得られることは既に孫子の兵法で説かれています。
1.情報は正確に把握する
2.得た情報はきちんと共有する
3.勝算なきは戦わず
4.兵は拙速を尊ぶ…つまり、作戦を中止する勇気も必要
5.感情論や精神論ではなく、緻密に計算して正確に考えてから決断を下す
6.兵站が確保出来ない戦いはしない
※私は、思考は現実化するを教えています。
しかし、勘違いしないで下さい。
思考は現実化するとは、“思い込めば成せる”ということではありません。
正確に状況分析をし、あらゆる選択肢を検証し、不明点は専門家に相談し、勝ち目のある分野に対して計画を立て実行していく。そして、臨機応変に対応し、常に建設的な答えを得る為に尽力するという教えである。
単なる自己啓発本ではないのだ。
だからこそ、20世紀に名を残す政財界の偉人が愛読したのである。
“本当のマネジメント手法を貴社に!”

佐藤憲彦オフィシャルブログ

日本で唯一のナポレオン・ヒル米国財団本部認定トレーナー資格を持つ社会保険労務士の佐藤憲彦 “人と組織のリーダーシップを開放し各々の目的に導く”人事部長のいない会社の為の社外人事部です

0コメント

  • 1000 / 1000